カラオケ、ペッティング、純愛、傷、薬

カラオケにひとりではいる。いくらか歌ってみる。サイケデリック後遺症にたどり着く。そのとき、そこにあの空間が復活した。君が隣にいた。“ああ、そんな風になるんだ” 僕の下手な歌を軽くバカにしながら。僕はそっと君に触れて君は抵抗することもなく。その帰りに君は私にすりよって。

かっこつけすぎたかもしれない。僕がバカだった。寂しがっている自分なんて一度も見せたくなかった。君のこと離したくないなんて一度も言いたくなかった。傷つきたくないから君にあまりのめり込まないよう気をつけた。そして僕は大切なものを見失っていた。

自然に涙が流れた。いつかは、ただの青春の1ページになるだろう。理性的に考えると、必ずそうだとわかる。だが、どうしてだろう、もう立ち直れないような気分は終わることがない。彼女を苦しめた罰はきちんと降ってくる。なんだろう。よかったとさえ思える。裁きも受けずにのうのうと暮らすことになっていたらどうだろう。

恋愛なんて俗物でしかないし、しないに越したことはない。しかし、麻薬と同じようなもので必ず恋愛の終わりには飢えが訪れる。ああ、さみしくて悲しくて勉強も仕事も手につかない。そして飢えると最終的には誰でもいいから捕まえようということになる。そして連鎖は続いてゆく。ひどいものだ。わかっていても中々克服できないものだ。僕が消えれば連鎖も消えるだろうなどといった低俗な方向にしか考えられないものだ。

思い出なんか消えてしまえ。でもやっぱり君は消えて欲しくない。

プラトニック・ラヴ、純愛、何の価値もない。全ては心を傷つける麻薬以外の何者でもない。